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 小熊座・月刊 
  


          第三回 佐藤鬼房顕彰全国俳句大会記録


  日 時    平成22年3月20日〔土〕・12時半

  場 所    壱番館 塩竈市遊ホール

  投句数    一般の部    2049句

            ジュニアの部  3676句

  選 者     金子 兜太  正木ゆう子  蓬田紀枝子  高野ムツオ  渡辺誠一郎

           髙柳 克弘
  神野 紗希  照井  翠   佐藤 成之

 佐藤鬼房奨励賞

    一般の部〔応募句〕

     渚のよう冷たき朝のキーボード                仙 台  中村 孝史

    ジュニアの部

     冬銀河触れたら指紋がつくだろう    岩手県立水沢高校三年  山本美星子

    嘱目の部

     藻塩火の匂う鬼房少年記                    石 巻  菅原みよ子


  
塩竈市長賞

     みちのくの春柔らかき土踏まず                仙 台  三浦ひろこ

  塩竈市芸術文化協会長賞

     みずたまりよくあさみるとこおりだね 塩竈市立第二小学校五年  西大條公汰


  塩竈市観光協会長賞

     越冬のりんご甘しと母泣けり                 盛 岡  大澤 保子


 【投句状況】

  各地で開催される俳句大会の影響もあって、一般部門の投句数は、応募席題を合わせ

 て
2049句、前回を下回った。それでも、北海道から沖縄まで各地から俳句が寄せられ

 た。

  一方、ジュニア部門は参加校、投句者とも前回を大幅に上回り、3676句となった。

 はり、インターネット効果だろうか。どち
らにしても、俳句ジュニアのなかで佐藤鬼房の名

 前が覚えられていけば、この大会の何よ
りの成果である。


 【シンポジウム】

  今回からの新企画である若手俳人によるシンポジウム「鬼房俳句の魅力」は、宇井十

 間・
石母田星人・渡部陽子・大場鬼奴多・関根かな氏が参加。多面的な角度からの鬼房

 俳句が
論じられたが、関係者を越えて好評であった。文芸ジャーナリスト酒井佐忠氏は、

 毎日
新聞の担当コラムで、二週にわたって大会記事を執筆し、好意的な文章で綴ってく

 れた。

  場内で傍聴された金子兜太氏は、「続ければ一冊の本に纏まる値打ちがある」と評価さ

 れ、継続を促された。


 【公開選考】

  当日句の選考は、全選者が参加しての公開討論。この大会独自の試みだが、選者の

 生の
声が交わされて興味深い。翌日の地元紙(河北新報)の紹介記事も、発言の遣り取

 りが活
写されていた。

  


 【余景】

  大会に先立つ十七日に、佐藤鬼房の〈馬の目に雪降り湾をひた濡らす〉の句碑が、塩竈

 市の海を臨む小公園「シオーモの小径」に建った。塩竈を訪れた九人の文学碑のなかの

 一基
として、これらの文学者を迎えるように建っている。〈詳細は五月号に既報〉

  先の「寒暮の碑」「鬼房小径」に続く顕彰碑が、三回目となる「鬼房顕彰俳句大会」と

 を合わせて披露されたことになる。今回も
塩竈市から協賛事業として協賛金を頂くこと

 出来た。市の文化事業の一つとして認めら
れてきたことに感謝申し上げたい。しかし、

 の大会がこれからも継続していくためには、
小熊座の一人一人が大会への思いを熱く持

 っ
て、自治体に寄りかからない姿勢で臨むことに尽きるだろう。     (浪山克彦 記)




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