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2018/7 №398 当月佳作抄
ムツオ推薦
山鳩の汝が妻亡しとうるさけれ 増田 陽一
創世の一声なりしほととぎす 渡辺誠一郎
燐寸の火ほどの舌出し鴉の子 上野まさい
古茶のよし新茶なおよし老いもよし 冨所 大輔
団塊の世代が何ぞ紅い薔薇 水戸 勇喜
軽雷の過ぎゆく夜の砂利置場 柳 正子
さつきまでヒマラヤの雪夏の霧 大場鬼怒多
近江上布風とも水とも思いとも 沢木 美子
ひばり野へ飛ぶ気の帽子押えたる 渡辺 智賀
自販機のごとりと鳴りて修司の忌 森田 倫子
麦の秋竈神様の舌の艶 神野礼モン
初夏の頭のなかを風通る 浪山 克彦
行く雲を映して蝌蚪の国盛ん 斎藤真里子
iPhoneを忘れ緑雨のなお孤独 一関なつみ
若き蛇天地統べる水脈を引く 𠮷野 秀彦
言霊の不知火海に卯波立つ 宮崎 哲
胸中に吹き溜りあり罌粟ひらく 草野志津久
あめんぼのぐいと地球をひっぱれる 須藤 結
莞爾とておおむね涙山法師 山寺佐智子
百年後も植田に風の吹くもがな 髙橋 薫
街灯に影を残して蚊喰鳥 江原 文
デコポンのへそは剥き出し漫画読む 村上 花牛
地獄耳不意に現はる春ごたつ 三田村伸子
地獄から火をとりに来し行々子 森 青萄
文芸はそのうち絶えて杜若 横田 悦子
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パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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