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本阿弥書店
定価 ２５００円＋税 |
『山の陽』 伊澤二三子
伊澤二三子（いざわ・ふみこ）
昭和１３年 宮城県大河原町生れ
平成１６年 「小熊座」入会
平成２５年 第３７回宮城県俳句賞準賞
平成２５年 「小熊座」同人
平成２６年 第３８回宮城県俳句賞本賞
宮城県俳句協会会員
宮城県芸術協会会員
現代俳句協会会員
山の陽の一直線に初暦
二三子さんの住まいは宮城県大河原町、一目千本桜で知られる
白石川にほど近いところにある。蔵王連峰が眺望できる風光に恵
まれた地でもある。
この句の山の陽も蔵王に連なる山々が生み出した豊かな恵みの
陽であろう。二三子さんは天性の明るさを持っている人だと頷か
される。
高野ムツオ 帯（序）より
自選 十句
春光の底なし一湾こころの帆
鬼子母神角ぐむ蘆に日が戻る
蝶たちの仮寓の地なり空青し
余震なほ余震を重ね町薄暑
穀象や納屋の唐箕に母の影
原爆忌セロをかついで男乗る
パピルスの版画の蒼さ星月夜
成実の仏塔に跳ぶ蝗かな
綿虫のよく湧く日なり祖母となる
造船の火花が湾へ鬼房忌
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