小熊座 句 集
店 蔵   日下節子
      


角川学芸出版
定価 2667円+税

    
 『店 蔵』    日下節子


 日下節子(くさか・ときこ)

 昭和14年  宮城県村田町生れ
 平成17年  「小熊座」入会
 平成19年  第32回宮城県俳句賞準賞
 平成20年  「小熊座」同人
 平成22年  第47回宮城県芸術祭文芸賞
 平成23年  第36回宮城県俳句賞本賞
 現在 宮城県俳句協会会員  現代俳句協会会員
    宮城県芸術協会会員

 


   高野ムツオ 帯(序)より 


   日下節子さんの作品は、即物写生そのものでありながら、しか

  し、十全に作者の想像力が働いている。地道で絶え間ない努力を

  もって自分の固有の世界を築き上げてきたのである。




   
自選 十二句


  病棟の窓に朝の陽小鳥来る

  亀鳴くや夕日は青き匂ひして


  子らの声はみ出してゐる花筵

  真つ直ぐに雨の降るなり夏木立


  
雁渡し橋のかたちに灯の点り

  表札に朝日の匂ひ寒雀


  日の匂ひ耕人の組む後ろ手に

  日溜りを王国としてすみれ草

  この橋のむかうにも橋鳥曇

  山はみな頂のあり稲の花

  消ゆるとは風になること秋の蝶

  店蔵に屋号はひとつ秋祭





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