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2025/3 №478 当月佳作抄
ムツオ推薦
新月の蛇のねむれる匂ひかな 川口 真理
輪廻して飛べない鳥になるでしょう 沢木 美子
浜の駅破れトロ箱にも淑気 植木 國夫
落武者の生き死に木の実独楽まはる 小島ノブヨシ
空爆の写真こたつに猫の顎 鎌倉 道彦
外套や遠き吾妻はすみれ色 丹羽 裕子
凍蝶のいのちのほかは凍てにける 栗林 浩
夕日さす初場所前の国技館 田村 慶子
愛されたいと寒卵ゆるる 大久保和子
高くあることのさびしき雪の山 清水 智子
鳴かぬ魚泳がぬ鳥や一葉忌 斎藤真里子
気にしない鰈のぬめり程じゃない 千葉 和珠
地吹雪が止んだ歌ひつかれたか 𠮷沢 美香
天白し地白し橇に摑まれば 及川真梨子
寒凪の島の海難法師かな 曽根新五郎
生命力ナイフで削り春を待つ 岡本 行人
戦争の正しさに剝く冬林檎 檜野美果子
薄氷に封じ込まれし雲疾し 川名まこと
祖母の遺品に支援物資の耳袋 鈴木 萌晏
利根の川辺に恭次郎詩碑空っ風 石川 澄子
極月や針を引き摺る豪猪 清正 風葉
人類に先立ち鯨死す渚 羊 洵
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パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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