|

|
特別作品
2026.vol.42 No.493
陽の匂ひ
檜野 美果子
- 犬ふぐり家では泣けぬ子とふたり
- 春昼のシェルター図書室の背中
- 補助輪の錆音のして鳥帰る
- 名を知らぬ同士つくしを数へけり
- うたた寝の入学児から陽の匂ひ
- 今のチャイムは間違ひですと風光る
- 名乗らずにゐる花冷の保健室
- だれも来ないジャングルジムに天道虫
- 人体模型の臓器ぎしぎし桜桃忌
- 白玉を均く分けて二年生
- 日焼子の抜けた乳歯を小袋に
- チョークまた折れて西日の模擬授業
- すれ違ふのみなり水槽の目高
- 原爆忌採点ペンに染まる袖
- 言い訳の子の目の色の蛍草
- 欠席の理由は「その他」秋の蝶
- 文化の日ベランダの鍵閉めたきり
- 冬日差すカーテン内の一区画
- 氷柱を人に向けないでください
- 背の順にならべるチョーク春近し
|
|
© kogumaza
|
|