小 熊 座 2026/7    No.494 当月佳作抄
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当月佳作抄 2026年7月 No.494

ムツオ推薦

辺境に生まれ死すとも夏鶯
渡辺 誠一郎
人別帳の女子供に亀が鳴く
沢木 美子
噴水の見えざる翼朝ぐもり
川口 真理
森濡れてオオミズアオの踏まれをり
増田 陽一
墓百基眠り落ちたる夏の霜
土見 敬志郎
川底に人の声する村薄暑
植木 國夫
蟻の道音楽祭を通りゆく
千倉 由穂
牡丹や驕る平家も斯く斯くと
大久保 和子
香水は耳たぶ手首膝の裏
村上 花牛
木簡の相聞歌あり花の雲
秋野 護
新生児の力強き屁飛花落花
木村 菜智
少年立つ雷雨に震える針のごと
𠮷野 和夫
薔薇園に影のあらざる真昼かな
布田 三保子
新樹光乱反射してけだるしや
黒河内 玉枝
孤独に翅生えれば春の雲となる
石の森 市朗
死んだ鳥の羽根舞っている聖五月
千葉 和珠
新生児に蹴られて緑雨始まりぬ
及川 真梨子
残業家事育児ピーマンに肉ぎゆつと
檜野 美果子
田水張られすぐに大雪山映す
村 一草
リラ冷えの指より入る鏡かな
小田島 渚
君死んでも山は青葉ぞ腹が減る
夏谷 胡桃
陽炎やこころとからだずれてゐる
碧西里
山に挨拶して山を出る蝶を見た
山本 勲
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