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万愚節 矢 本 大 雪
遠浅の廊下がつづく花曇り
うぐいすの声や金剛曼荼羅図
うぶ毛光らせて飛び出す谺かな
介護施設のパンフレットや残る雁
白神の森をめくれば木の芽風
すかんぽで国会議事堂くすぐりぬ
離別後の筋肉ほぐす春の川
コビトカバ耳がうごけば復活祭
夜の蟻 山 田 桃 晃
喪ひしもの隠れゐる花莱畑
菜の花に一番遠くなりし人
土筆野を荊妻もどる位牌堂
花筵仏のために空けてある
花筏悽愴の妻乗つて来る
余花の下土に還へる人と逢ふ
余花の雨仏と歩む日暮れ橋
余花の冷え水底にある波の影
山 彦 菊 地 恵 輔
腹叩き木の精あやす春仏師
山越えの風かたくりをもみくちゃに
水温む浮かれ木霊が根に転る
おぼろ夜の影におびゆる草の精
土竜塚かすみし土手のメロンパン
うららかや木霊のうなじ匂やかに
山彦の言の葉の道辛夷渓
足すくむ霞の網の杣の道
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