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2009/7 bQ90 当月佳作抄
ムツオ推薦
己の句己が消しぬ雨ふらし 越高 飛騨男
ゆく春の円空仏と蕎麦団子 阿部 菁女
陽炎を光背として陰の神 佐藤 きみこ
えにしだに煽られてをり人嫌ひ 上野 まさい
田植人夕星になり損ねたる 須崎 敏之
白鳥の睡りの白さ計られず 土屋 休丘
老いの前永く置かれし粽かな 山田 桃晃
たんぽぽの帯化出征軍馬の碑 津高 里永子
逝きし人に簾一枚吊るしあり 柳 正子
蛇苺負の系譜なり野に沈み 佐伯 秋
虫出しや帆船は羽閉じしまま 浜谷 牧東子
寝圧しズボンめきし半島百千鳥 平川 よし美
甑炉の中は見えねど花吹雪 澤口 和子
幸せは山のあなたに葱坊主 秋元 幸治
野で焼きし亡者幾万藤の花 冨所 大輔
陸奥湾は叫びの形鳥雲に 我妻 民雄
曽良も聞きしか美豆の小島の夕蛙 蘇武 啓子
夏の川またぎ嫁ぎて寡婦となる 福原 栄子
山彦にまんさく一枝賜わりぬ 安達 幸子
あんぱんの洞に隠せり春の夢 川野 欣一
春蝉の瞳が濡れてみちのおく 澤邉 美穂
代掻のここより旅愁始まりぬ 吉野 秀彦
ハンガーのかたちの春の星座かな さがあとり
朝待ちの海女の立膝鳥雲に 菅原 みよ子
桜しべ降るようやっと寝た子にも 田村 慶子
語りても語りても過去麦青む 松本 ちひろ
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パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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