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2010/6 №301 当月佳作抄
ムツオ推薦
榾煙囲みて遮光器土偶の声 千田 稲人
花筵のびて縮んで八十年 青野三重子
春の山どこを押しても壊れさう 土見敬志郎
花吹雪めそめそ生きよ男なら 矢本 大雪
春潮に一尋の翼得て帰る 須﨑 敏之
朝虹のしたたる中を園児バス 佐藤きみこ
綺羅星のひとつに地球春の泥 八島 岳洋
濁りたる水に青空藪椿 遅沢いづみ
きらきらと毀れるまではしゃぼん玉 上野まさい
わたくしと空を隔てるさくらかな 松岡 百恵
お取り寄せしたはずのなし春の塵 澤口 和子
海境は晴れ白魚が透きとおる 土屋 遊蛍
天文にいささか興味葱坊主 遠藤のぶ子
片栗の花食べたなら飛べるかも 水戸 勇喜
白魚の千の眼に風千尋 畠 淑子
海底を列車が通る三鬼の忌 山田 桃晃
初東雲君が胸乳をひらくか 髙橋 正子
翼痕の痛む卯の花腐しかな 大和田節子
赤子の寝息柔かからず蠅生まる 瀬古 篤子
父に似て性格悪し菊根分 さがあとり
職退きて久し春月引き寄せて 稲葉 博子
水底に家路消えゆく揚雲雀 伊東 卓
春の旅星に各駅停車する 澤邉 美穂
春泥にまみれ一年生の靴 佐藤真理子
潮騒や琥珀は春の星を抱く 斉藤 静枝
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パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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