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2010/11 №306 当月佳作抄
ムツオ推薦
たてよこの横は海原鰯雲 平松彌榮子
プール出て水の光に寄りかかる 中井 洋子
思い出を皆忘れよと赤とんぼ 千田 稲人
雨粒を光らせており夜の蜘蛛 佐藤きみこ
火の国の礫なるべし稲雀 上野まさい
眦の野菊のほかは暮れてゐる 土見敬志郎
秋の蚊を叩き南無阿弥いうて老い 阿部宗一郎
星とんでわたくしはただ息をする 松岡 百恵
星の降る夜とも知らず放屁虫 さがあとり
骨盤はハートの形星涼し 澤邉 美穂
海も川も光り尽して冬を待つ 福原 栄子
水底の石きらめきて桐一葉 山田 桃晃
爽やかに朝毎出会うわが老いに 冨所 大輔
ここに揺れ何処にも行かず葭の花 むらたつひこ
星涼し埴輪は唄ふ口をして 菅原みよ子
吾の立つここが中心鰯雲 柳尾 ミオ
何処にも居場所のありて石たたき 松本ちひろ
秋風の先ず這い上がる脹脛 村田斐路子
ひとつ灯に今はひとりや虫集く 境 栄子
古きノート晩夏光をば栞とし 紺野 リキ
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