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2014/6 №349 当月佳作抄
ムツオ推薦
眉剃ってまんさくにやや似てきたり 佐々木とみ子
山々に夜のひろがる端午かな 上野まさい
人間もさくらも宇宙浮遊物 古山のぼる
桜さわさわ中学生の夢の量 須﨑 敏之
翻車魚をくすぐっている春日かな 小笠原弘子
今日の水今日の音して初桜 中村 春
薄膜に首都全景や石鹸玉 増田 陽一
雨だれと云ふ春愁の忘れもの 鯉沼 桂子
靴底に花が一片母の忌来 宮崎 哲
花馬酔木誰も知らない卑弥呼の忌 渡邊 氣帝
永遠に明日は明日風船突く 秋元 幸治
秘めし力体温として残花かな 大久保和子
朝の日の飛沫となりて揚雲雀 清水 智子
掃除機を動かすまでの春うれひ 津髙里永子
全能のフクシマいづこ桃の花 水戸 勇喜
もう少し老い続けよと花いかだ 篠原 飄
んだんだと今を諾ふ婆の春 野田青玲子
何もせぬ時間が褒美冬すみれ 牛丸 幸彦
おんどりの声が残りし春一日 佐藤 みね
それぞれに春光玉子かけ御飯 菊地 恵輔
薄氷の消えゆく形に父の胸 森田 倫子
事務服の背に襞のある花見かな 遅沢いづみ
内部被曝検査通知が嫁菜にも 武良 竜彦
桜貝地球巡った波の音 千倉 由穂
此の世てふ戦場に咲く桜かな 清水 里美
原子炉に入るロボツトあたたかし 船場こけし
天に雲雀地にはハーレーダヴィットソン 黒田 利男
初蝶やわれを消すほど玻璃磨き 棟方 礼子
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パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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