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2016/8 №375 当月佳作抄
ムツオ推薦
垣なき蔓薔薇モハメド・アリ死せり 津髙里永子
何処からも見える塔あり花疲れ
越髙飛驒男
蟻を見る我あり蟻の中に我 我妻
民雄
朝日真っ向朴の木に花飛来して 須崎 敏之
老いゆくかそれとも花火見にゆくか 上野まさい
噴水の夜は上らず牛飼座 増田 陽一
音もなく潮膨れ来る蘆の角 土見敬志郎
深傷でも立ち直れさう植田風 中井
洋子
練ひばり懐といふ闇のあり 日下 節子
避難解除森青蛙落下せり 坂本 豊
万緑や水ひとひらを掬ひとる 柳 正子
モハメド・アリの拳や梅雨の星 瀬古
篤丸
蔦茂る死を結論とするならば
千倉 由穂
風鈴の鳴るたび死者が通りけり 八島 岳洋
歌舞伎町雲の端より夕焼けて 佐藤 茉
梅雨に入る二足歩行の愚かさも 宮崎 哲
杉山に杉の大樹のなくて梅雨 益永 孝元
スカイツリー燭台として敗戦忌 横田 悦子
夕方の老女ばかりの蓮見舟 おとはすみ子
ぼた山は硬山と書き待宵草 村上 花牛
滴りやはるか彼方は相馬の空 草野志津久
新樹光栞りて閉ぢる文庫本 杉 美春
南部馬鼻の先まで梅雨やませ 佐野 久乃
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パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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