小 熊 座 2018/12    №403 当月佳作抄
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     2018/12   №403   当月佳作抄

                                   ムツオ推薦


    左脚無くし右脚寒きかな                    八島 岳洋

    青森椴松雪の翼を張りづめに                 阿部 菁女

    秋風や時に耳立て御霊塚                   渡辺誠一郎

    縄文土器土に還れず秋の虹                 小笠原弘子

    天高し人の歩幅の尺七寸                   𠮷野 秀彦

    曼珠沙華トンヤレ節の未帰還兵               椊田 浩子

    朝焼や酢の金色を飯に打ち                  土屋 遊蛍

    その上はもう宇宙だよ赤蜻蛉                 武良 竜彦

    稲雀一群でんでら野を知らず                 中鉢 陽子

    月光に水を抱きし山毛欅の森                 布田三保子

    葛の原首出している開墾碑                  佐竹 伸一

    米を研ぐ音が時雨を呼びにけり                大和田節子

    己が身の闇より斧やいぼむしり                丸山みづほ

    長明もこぼせし零余子われもこぼす             あべあつこ

    太陽の雫ぞ陸奥の唐辛子                   髙橋 彩子

    黄葉の一葉も歴史古劇場                   千倉 由穂

    野ざらしの厨子甕夏の日を撥ねる              斉藤 国彦

    ロヒンギャの声なき声か鷹渡る                髙和 文子

    念ずればコスモス畑病床も                  初見 優子

    終活のゲバラ全集捨て冬へ                 小野 郁巴

    泥濘の団栗が日を跳ね返す                 髙橋  薫

    稲の香が包むや銀河鉄道駅                 須藤  結





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