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 ２０１９／２ №４０５ 当月佳作抄
ムツオ推薦
舞ふ落葉沈んで泥となる落葉 我妻 民雄
冬の大三角イースト菌はパンの中 日下 節子
藁の香や旅より戻る疣の神 阿部 菁女
はぢらひの色の鮟肝すりつぶす 津髙里永子
共に歳越さむと抱きぬシクラメン 増田 陽一
着ぶくれて脳味噌小さくしていたり 渡辺誠一郎
今日よりの裸木として橅・欅 土見敬志郎
その外で起きてゐること聖樹の灯 瀨古 篤丸
冬めくや空瓶のごと人並び 松岡 百恵
推敲す膝に冬日を蓄えて あべあつこ
牛小屋とフレコンバッグ十二月 丸山みづほ
難民の凍蝶のごと泥の河 宮崎 哲
杖置きて冬浮雲に乗り遊ぶ 岡田 明子
巨大なる闇鍋のごと歌舞伎町 佐藤 茉
冬桜米軍ハウスという昭和 岡村 直子
絡みあうコンセントたちクリスマス 菅原はなめ
我が細胞は入れ替わるらし冬の星 小笠原祐子
襤褸市の値札のつかぬ空あをし 小田島 渚
極月のペットボトルに映る街 古川コエミ
ひらく手の冬のおほきな蚊なりけり 樫本 由貴
冬日いま伐り倒される梢にも 阿部恵美子
星になる少し前かな竜の玉 髙橋 薫
木枯しも胎内くぐりするそうな 小野 道子
朝時雨ビルとビルとに虹かけて 大坂 宏子
平成の終わりにロールパンを食う 岡本 行人
外炎のごとき人垣松明あかし 佐藤 和子
人間の服の初めの毛皮かな 佐藤 海
冬虹の忘れ物なりリボンとは 初見 優子
羊水は思い出せずや冬の月 本木 朱実
冬晴や校舎の顔で立つ校舎 みぎて左手
回転寿しプリンも廻る文化の日 堂園 正広
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パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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