小 熊 座 2020/7    №422 当月佳作抄
TOPへ戻る  INDEXへ戻る



     2020/7   №422   当月佳作抄

                                   ムツオ推薦


    ぼうたんのうしろの闇の牡丹かな         日下 節子

    早苗揺るる太古の民に歌あれば         沢木 美子

    ひそひそと人の世のこと竹落葉          浪山 克彦

    夕日待つ舟か泰山木の花             我妻 民雄

    胛の弛みて牡丹崩れたる              佐藤 弘子

    この国の滅びしごとく蟇あるく            髙橋 彩子

    山藤に頭を撫でらるる帰郷かな          瀨古 篤丸

    地球に時間人にも時間麦の秋           よしの公一

    薔薇に顔近づけ薔薇を身籠りぬ          神作 仁子

    羽蟻たつパンデミックの迷界に           村上 花牛

    団地ごと老いて行くなり葛の花           草野志津久

    蜘蛛の糸煌めきてゐて蜘蛛見えず        斎藤真里子

    夏の月出でてチャーハン出来あがる       関根 かな

    蜘蛛に生れては白雲を遠くにす          千倉 由穂

    ががんぼのんぼの部分拾いけり          菅原はなめ

    母の日や畳んで捨てる包装紙           丸山みづほ

    吾が口笛吾が身に染みて若葉寒          田村 慶子

    櫻蘂ふらす友なり詩を愛し              大久保和子

    白牡丹ほこり重ねてほろびをり           渡辺  柚

    雨垂れがわたしわたしと落ちにけり        𠮷野 和夫

    縄文の不滅の炎大蕨                 佐竹 伸一

    新樹よりウポポイの声途切れなし         後藤よしみ

    海神の総身の雫大夕立               曽根新五郎

    土を見て鍬振り無言辛夷谷             山本  勲

    薫風や研ぎ汁しばし回りたる            𠮷沢 美香

    風鈴にしぶきを残しオートバイ            古川 修治

    風船と青空つなぐ躾糸                髙橋美紀子

    パセリ嚙む人の最期は人まかせ          熊谷 佐幸





パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
  copyright(C) kogumaza All rights reserved