小 熊 座 2022/5    №444 当月佳作抄
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     2022/5   №444   当月佳作抄

                             ムツオ推薦


    ゼレンスキーもプーチンも来よ春炬燵         渡辺誠一郎

    スキップをして岐阜蝶を誘いだす            沢木 美子

    初蝶やまづ地べたから地べた迄            我妻 民雄

    亀何時まで甲羅を背負ふ日永かな           増田 陽一

    冬ふかく老ゆるほかなく老いにける           八島 岳洋

    牛の眼に潮あふれて野梅散る              植木 國夫

    今以てふんどし町や鳥曇                 水戸 勇喜

    亀鳴くや不羈の天地を知りたれば            𠮷野 和夫

    飛んで逃げ這って逃げよと野焼きかな          森田 倫子

    鳥帰る何もできぬが腹が減る               𠮷野 秀彦

    六道のどの道帰る大白鳥                 竹中美千代

    春潮のふくらみ児置島抱く               千葉 百代

    父の遺影ちょっと傾く春夕焼              丹羽 裕子

    うまい棒一本地球の水温む                髙橋  薫

    白梅の連なり天へ折れ曲がる               松岡 百恵

    踏まれたる胸ひかりをる踏絵かな             長谷川克史

    韮刻む怒れる大地に居るのみと             須藤  結

    鳥海山の飛雪に埋れ吊し雛                椊田 浩子

    亡き母の落葉踏む音かも知れず             秋元 幸治

    不眠症頭に椿落ちてより                蘇武 啓子

    あめゆじゅとてちてけんじゃと妹よ燭ふるえ       齋藤 千冬

    蒲公英や津波の舌は黒かった               山内 伸一

    正義てふ恐ろしきもの薯植うる               馬場 小零

    地震の後雛静かに笑まひけり               草野志津久

    啓蟄のぞろと出づる仙台弁               鈴木  隆





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