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2022/11 №450 当月佳作抄
ムツオ推薦
水の神手をふれたれば秋の水 渡辺誠一郎
結構揺るる介護タクシー天高し 津髙里永子
蓮の実を嚙めば翼の疼くなり 永野 シン
父の声真葛原を抜けるとき 日下 節子
芭蕉葉に月の出でけり島の果 中村 春
芋虫のごとところがり穿くおむつ 八島 岳洋
何ものもおそれず背高泡立草 水月 りの
雁の鳴き交はすたび空深し 平山 北舟
父の骨壺へ秋風秋日差 丸山みづほ
蔓引けば村くづれさう葛の花 植木 國夫
準備宿泊手花火照らす幼顔 橋本 一舟
いわし雲の一片となり推敲す 清水 智子
一日は音に始まり涼新た 松岡 百恵
しろがねの空一転す芋の露 佐藤 和子
野分だつ黒人霊歌の熱量 村上 花牛
聞こえない音天の川銀河より 佐川 盟子
琉金揺れて部屋いつも揺れてゐる 小田島 渚
糸蜻蛉少し未来の方へ飛ぶ 千倉 由穂
リーベングイズつてなんだろな赤蜻蛉 森 青萄
海底はつねに陸押し神の留守 龍 太一
雲の湧く上にも雲やきりぎりす 斎藤真里子
両腕に喃語の満ちて鰯雲 檜野美果子
捨団扇遠くの木々が揺れている 大坂 宏子
しあわせに度合いなどなしレモンの香 斎藤 友大
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パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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