|
|
2023/4 №455 当月佳作抄
ムツオ推薦
黒板の文字は残らず卒業歌 渡辺誠一郎
外に積む雪かまくらを明るうす 津髙里永子
焙れば反る鰈の背びれ春の雪 日下 節子
笑ひ皺以て泣く人ももの花 我妻 民雄
春の星采女の涙かもしれず 沢木 美子
関東寒晴その一隅の墓じまい 須﨑 敏之
己が身の退化味わいつつ梅見 蘇武 啓子
蠅生る娑婆の馳走に手を合せ 小島ノブヨシ
甘蔗刈沖に汽船の黒煙 中村 春
風光る記憶のなかの瓦礫にも 関根 かな
グロッケン鳴りて海豚は星となる 千葉 和珠
空中に香と香の出会う沈丁花 八島ジュン
後夜かけて雲流れたる多喜二の忌 樫本 由貴
天安門天安門という寒さ 田村 慶子
セルフレジ着脹れて背を向け合ひて 馬場 小零
丹頂の紅一点が胸中に 及川真梨子
凍蝶の重さ隕石の重さ 𠮷沢 美香
地吹雪の上にオリオン傾けり 斎藤 友大
前髪は翼にあらず蕗の薹 樫本 由貴
スコップや種は光の子どもたち 夏谷 胡桃
|
パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
copyright(C) kogumaza All rights reserved
|
|