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2023/5 №456 当月佳作抄
ムツオ推薦
下京に本塩竈町春の水 渡辺誠一郎
紫木蓮後妻打ちに行くところ 沢木 美子
大利根は芥子菜盛り草魚跳ぶ 増田 陽一
よそゆきのことば重ねてあたたかし 津髙里永子
蘆牙を踏んで百骸震へけり 大河原真青
長靴の此処は上がり場鬼房忌 中井 洋子
囀りや太古の土器の欠片より 永野 シン
わが祖霊いま雪形の駒の上 平山 北舟
烏賊墨に口を汚して春深し 土屋 遊蛍
電報を人が配達梅の花 遅沢いづみ
大根に鬆あり爆弾低気圧 髙橋 彩子
肩を組み唄いしむかし蘆の角 須﨑 敏之
心臓も目もなく海鼠生きてをり 石の森市朗
水底の遺跡を知らず椿落つ 髙橋 薫
枝垂るるや三月の空重すぎて 松岡 百恵
体内の秘境を照らす春の月 関根 かな
春日傘誰かに操作され曲がる 小田島 渚
春はあけぼの炉底に今も却火あり 龍 太一
春昼の影がしぶしぶついてくる 及川真梨子
囀をリュックサックが聴いている 斎藤 友大
大鷲の乾坤分かつ飛揚かな 鈴木 隆
啓蟄の土ふかふか雲ふはふは 宗像眞知子
花片に花びらの影白木蓮 林 衿
残雪より真つ白な鳥羽摶きぬ 岩井 あさ
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パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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