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 ２０２３／９ №４６０ 当月佳作抄
ムツオ推薦
石棺は重さを変えず緑さす 渡辺誠一郎
紫陽花が色変えるゆえ朝寝かな 増田 陽一
榕樹の根が絡みゐる沖縄忌 土見敬志郎
天の川ミサイルが飛ぶ星一つ 冨所 大輔
八月や伏せてさびしき飯茶碗 浪山 克彦
混沌の我を日傘をもて囲ふ 久保 羯鼓
新しきものから滅び墜栗花穴 佐川 盟子
町並が川面に揺るる涼しさよ 志摩 陽子
捻花の階を昇れば雲の声 蘇武 啓子
草取って無名のままの背を伸ばす 清水 智子
戻り来し西行なるか黒揚羽 丸山みづほ
仏壇あり虹もおそらく粗大ごみ 𠮷野 和夫
榕樹のざわざわざわと牛角刀 中村 春
幹に雨走らす山毛欅のごとく汗 佐竹 伸一
新幹線とでで虫通る墓前かな 棟方 礼子
けふ一日の金魚の尾つぽ猫のひげ 大久保和子
茶筅より生まれる宇宙雲の峰 大西 陽
むしろ旗立てし跡ありやませ吹く 鎌倉 道彦
屑篭の中にある詩星月夜 須藤 結
廃校の窓窓違ふ夕焼雲 今野まさる
寂しさに臍は窪みぬ青田風 𠮷沢 美香
噴水や十月十日の心拍数 檜野美果子
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パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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