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2024/2 №465 当月佳作抄
ムツオ推薦
友死して猫と蒲団が残りたる 渡辺誠一郎
霜の夜の底なしに街灯りゐる 土見敬志郎
狐火やいつものドアが開いてゐる 日下 節子
死霊の声緋寒桜の影踏めば 中村 春
蝋燭の蝋の泉やクリスマス 松岡 百恵
戦場の映像無臭冬夕焼 小野 豊
冬空に落書きせしは神の子か 郡山やゑ子
冬薔薇縁より海が昏くなる 杉 美春
水族館出て短日の鰭たたむ 唯木イツ子
冬の港今も俘囚の日本あり 武良 竜彦
依代につかぬもののけ雪催 小笠原祐子
生きているうちは病めるや花八手 冨所 大輔
天に星地にはデブリの寒さあり 浪山 克彦
へろへろの冬の蚊なれど寄れば打つ 宗像眞知子
古りし家すみずみまでも小六月 清水 智子
凧のオペレペレケプ湯を沸かす 竹中美千代
東歌風花にのり先斗町 髙橋美紀子
寒鯉のポカリと夢の名残かな 髙橋 薫
冬の陽で梳いた黒髪匂いけり 川名まこと
兵隊はススムしかなし雪野原 森 青萄
残る虫スマホ充電してをれば 馬場 小零
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