小 熊 座 2024/3    №466 当月佳作抄
TOPへ戻る  INDEXへ戻る



     2024/3   №466   当月佳作抄

                             ムツオ推薦


    知らぬ世をすらすら歌ふ手毬唄          丸山千代子

    死者たちの夢か椿の花赤し            久保 羯鼓

    裏座より朽ちゆく空き屋実南天           髙橋 彩子

    桶の底が抜けてしまひぬ秋の空          栗林  浩

    寒月光憚りながら汚染水              植木 國夫

    返事して人へと戻る日向ぼこ            佐藤  茉

    痛きまですらりと青し寒の竹            佐川 盟子

    どんど焼く生者の声も昇りゆく           宮崎  哲

    カンと鳴るものにこの星寒の入り         武良 竜彦

    夜眩し体内に狐火飼えば              菅原はなめ

    冬晴や屋根すべる雪の楽しさう          棟方 礼子

    釈迦尊の指す天と地の冬休み           千葉 和珠

    寒梅や死者は晩年知らぬまま           千倉 由穂

    神宿るあしあとのなき雪原に            伊藤 恵美

    霜の花一面朝日のあたる家            髙橋  薫

    凩や最終処分の地は何処             川名まこと

    冬薔薇嗅げば美人となるまいか         清正 風葉

    ぬひぐるみに諸息あたへ寝積むよ        樫本 由貴





パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
  copyright(C) kogumaza All rights reserved