小 熊 座 2025/9    №484 当月佳作抄
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当月佳作抄 2025年9月 №484

ムツオ推薦

鉛筆の芯は一本八月十五日
渡辺 誠一郎
休暇果つ雨の音溜めてゐる身体
川口 真理
油匂ふ機械の身体熱帯夜
小田島 渚
黒揚羽舟を沈めて来しといふ
佐川 盟子
汚染土は帰る場所なしチューリップ
丸山 千代子
クマに嚙まれず転倒もせず夏涼し
増田 陽一
恩寵としてむすばれむ露の玉
仁藤 さくら
捻花のねぢれし先の波の音
日下 節子
ひとり寝に蛍沢からはぐれ来よ
須﨑 敏之
バスもうすぐ来るか長蛇の列涼し
津髙 里永子
地を蹴って魑魅よびおこす踊り下駄
沢木 美子
糸とんばう水も滴る美少年
小島 ノブヨシ
籐椅子の祖父に籐椅子ほどの骨
千倉 由穂
稲妻や想い遂げねば恋でない
丹羽 裕子
蜂起して向日葵歩き出すことも
蘇武 啓子
秋天に口開け並ぶ保安靴
宮崎 哲
夏雲の立つや海原一丁目
松岡 百恵
海はただそこに在るだけ夏帽子
千葉 和珠
侵食の洞が在所雲の峰
上田 由美子
己には見えぬつむじや夏銀河
菅原 はなめ
暗中に揺るる万緑とは焔
羊 洵
この星の詩をつぶやきて岩清水
伊藤 恵美
楽園は道なきところ明易し
川名 まこと
炎天の物干し竿のたわみかな
木村 菜智
黒揚羽ずしりと重き飛翔かな
川添 節子
雲いつも一方通行花あやめ
鈴木 萌晏
トマト捥ぐ平和の色の褪せぬやう
檜野 美果子
思春期のわたしゼリーのなかにいる
鈴木 綾乃
パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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