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特別作品
2025.vol.41 no.485
螢の海
大久保和子
- 新月やザクロに罅のはしる音
- 貝風鈴鳴らして海の風になる
- 白紫陽花生まれ変はれる気がしてる
- 空蟬の告白今日も聴いてやる
- 永遠の廃炉中なり万愚節
- イタシイタシと此方を見る眼広島忌
- そのひとはいつも螢の海の前
- 人愛すとき夏草に在るこころ
- 満月の涼しき目線浴びにけり
- 泣けるなら泣け水中花泡吐けり
- なぜいつも祖母のもんぺに胡瓜の香
- らつきようももうあめいろに祖母の家
- 蚊遣香巻き戻したくなる昭和
- ラジオからボレロ燕の巣立ちけり
- 寂寥は秋の海より生まれけり
- 横顔はいまも腕白雲の峰
- 黒猫の深部体温夢二の忌
- 祖母書きしわが名一画ぬけて秋
- 壊さるる生家の百年秋夕焼
- 逝く人に夏のをはりと日記には
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© kogumaza
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