小 熊 座 2025/10    №485 当月佳作抄
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当月佳作抄 2025年10月 №485

ムツオ推薦

古書を得て螢の闇を戻りけり
渡辺 誠一郎
底深し秋のプールも少女らも
川口 真理
捩花を足場に空へのぼりゆく
佐川 盟子
水中花たとえば慰安婦のその後
沢木 美子
空蟬のあまた爆心地のふたつ
丸山 千代子
虹の根というものは無し廃サイロ
須﨑 敏之
剝くまへの桃の香放つ桃の皮
津髙 里永子
星々に抱かれて夏を深眠り
永野 シン
入道雲騎虎の勢ひ龍を呼び
小島 ノブヨシ
祖霊在す山河に住みて墓洗う
冨所 大輔
羽下す安堵もあるや赤とんぼ
𠮷野 秀彦
八月のふいにゴミ焼く臭いかな
髙橋 彩子
冷房を出て冷房の重さかな
中井 洋子
見えぬこと見えて来ること鳳蝶
蘇武 啓子
茹で卵つるんとむけたやうに秋
よしの 公一
白桃は愛づるに非ずすするもの
熊谷 佐幸
地の声にいつせいに立つ曼珠沙華
斎藤 真里子
白桃の亡き人つけし指痕か
宗像 眞知子
大西日ふぐりは大地より重し
𠮷野 和夫
佳きことは秋の雲にも報せやう
岡田 とみ子
敷石に身を投げし如大蚯蚓
石川 澄子
とうきびのひげわらわらと家族居し
阿部 ゑみ子
虹消えて出逢ひし頃に戻りたる
小田島 渚
父は殺し父は殺され敗戦日
月下 清舟
盆の月昔縁側ありまして
安徳 由美子
家だったもの底にしてダム涼し
鈴木 綾乃
鶏頭の朽ちて炎の遺りたる
羊 洵
上履きの数の生ひ立ちちちろ鳴く
檜野 美果子
パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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